【着物から帯へのリメイク】着られなくなった着物から名古屋帯へリメイクしたら出番が増えました!2019/03/20
今回はリメイク編!小紋から名古屋帯へのリメイクをご紹介します。
●貰い物でサイズが小さい着物
●お気に入りでよく着たから汚れがある着物
●裾が擦り切れてしまった着物
など、様々な理由で、もう”着物としては”着られないでタンスの中にしまっていある着物を思い切って帯にリメイクしてみませんか?
リメイクのきっかけ
お香や落語の発表会にと着物をお召しになる機会の多いS様が、「柄が気に入って譲っていただいた着物だけど、お尻が破けていて着物としては着られないのですが、帯になりますか?」とご相談にいらっしゃいました。
お知り合いの方で、お仕事でずっと着物をお召しだった方が退職し「もう着物は着ないから」と手持ちの着物をたくさん処分なさったそうです。「え?それなら、譲って貰えばよかったわ」とS様が話すと、処分せずに残してあった着物を出してくださり、そのうちの一枚がこの着物。
とにかく柄が気に入っているので、なんとか帯にならないかと思ってのご相談でした。
そこで、洗い張りをして名古屋帯へリメイク!
他にない自分だけの新しい名古屋帯に生まれ変わりました。
お客様の声
柄が可愛らしくて帯にしたら生かせるかと思って相談したので、使いやすい帯になって嬉しいです。落語の発表会にこの帯を締めて、着物をいただいた方に見てもらうのが目標です。今からとても楽しみです。
S様ありがとうございます。
お手入れの工程
洗い張り
とてもお好きでよくお召しになっていたそうで、あちこちにシミや生地の傷みがありました。使える部分を見極めるために、先ずは着物をほどいて汚れや筋などをきれいにする洗い張りを行いました。
柄合わせ
洗い張りが終わって反物に戻った布から、名古屋帯のお太鼓になる部分の柄をきめました。赤の遠州椿が上を向いていて、巾約32㎝長さ40㎝くらいのなるべく汚れのない部分を選びました。
仕立て
垂れ先になる部分も太鼓の柄と重なってもおかしくない所を選びました。前柄の部分は、締めた時に出る方にきれいな部分を選び出し、帯を締めた時に見えない所(具体的にはひと巻き目の部分など)で継いで芯を入れ、名古屋帯に仕立てました。
料金と期間
〈S様の場合〉
洗い張り・・・¥10,000
名古屋帯芯入れ仕立て・・・¥18,000(帯芯代含む)
ハギ代・・・¥4,000
(全て税別)
お太鼓と胴回りに出したい柄を選んで頂き、その柄が出るように見えない部分でハギを入れます。ハギを入れる回数によってプラスにかかる場合がございます。
洗い張りに1ヶ月、仕立てに1ヶ月で計2ヶ月かかりました。
仕立屋さんの混雑状況によって時間は前後いたします。
リメイクの注意点
今回のように着物から帯へのリメイクする場合の注意点をご紹介します。
・生地の伸縮性があるか
→伸縮性のある生地は締めた時に伸びてしまうので締めにくいです。
・生地の厚みがしっかりあるか
→着物より帯の方が、縛ったり帯締めでこすれたりと生地にかかる負担が大きい為、古い着物で生地が傷んでいるようなものや薄手の生地はお勧めしかねます。
・着付けの時のすべりがどうか
→普段から木綿の帯などをする方は慣れていらっしゃると思いますが、木綿や紬は生地同士がくっつきやすいため、小紋よりすべりが悪いです。すべりが悪いほうが緩みにくくていい!という方もいれば、締めにくいと感じる方もいらっしゃいます。着るのに苦戦する帯は結局出番がなくなってしまうということも多いので、予め確認してください。
今回は名古屋帯へのリメイクでしたが、半幅帯や京袋帯へのリメイクも承ります。ご相談ください。