着物を通して素敵に年を重ねていくお手伝い – 青山 ゑり華

着物を通して素敵に年を重ねていくお手伝い – 青山 ゑり華

帯屋捨松作品展2022/09/01

創業安政元年160年の歴史 帯屋捨松作品展

9月23日(金)~26日(月)4日間(最終日は15時半まで)
帯屋捨松 八代目 木村智也さん来場(23日~25日)
青山ゑり華 店内にて

この一本にかける手間はすべて締めていただく貴方のために

西陣の帯の製造は分業化されているのが常ですが帯屋捨松はこの工程を一貫して行ってます。
図案デザインから紋図、特殊な糸の製造や加工、紋紙彫り、引箔、染色、手織りに至るまで専属の職人によって完全に独創性に満ちた工程となっています。

「あしらい」もって創る帯

「あしらい」とは、人と人とのほどよい距離を感じさせる美しい日本語です。
もてなし、趣をそえる、などの意味を持ち、
能楽では相手役に向き直って応対する所作を表し、「心を通わせる」の意があります。
興味深いことに長唄では、自由な形で演奏する手法のことを言うそうです。
つまりは即興演奏の妙までも表現した「あしらい」。
思いやりの気持ち、遊び心やゆとり、といったようなことも含まれましょう。
帯屋捨松の帯にこの「あしらい」の心を感じていただけたら幸いです。

日本には四季があり、気候風土に合った衣食住があります。
私共が携わる「帯」もまた装いとしての着物と共に育まれ、かけがいのない文化的な財産として受け継がれてきました。
日常の中で、本当の豊かさとは何か?と考えた時、そのひとつの答えが自分自身の仕事にあると気がつきました。
つまり「帯」の存在です。
気の遠くなるような作業を経て織り上げる帯は、一見無駄に思えるひと手間ふた手間をかけます。
締め味にもこだわり、手に取った時の心地よい風合いを目指して織られます。
たとえば図案を紋図(もんず)におこす時、コンピューターを使わずに、あえて手描きですることにより、ぱっと見た目ではわかりませんがより奥行きや深みが増すのです。
一色に見える色でも何色もの糸を紡ぎ合わせたり、金銀糸、箔などのさまざまな材料を合わせることによりさらに生きた色調になり、芯の色はより深まっていくのです。
スピードと利便性にとかく流されそうな現代にあって時代に逆行するようなモノ作りをしていますが、むしろそのように時間をゆっくり流し、無駄を省かない。
それは、いいものを作る上で一番大切なこと、と私は信じます。
今回初めて私の息子の智也が寄せて頂く事になりました。
皆さまどうぞお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。
帯屋捨松七代目社長木村博之

なぜ帯屋捨松の帯は締めやすくいろんな着物に合い着姿を引き立たせるのか

帯屋捨松の魅力

➀図案の独創性と面白さ
➁着物に合う複雑な色
➂締めてもらう人に喜んでもらえるものづくりを目指したいという心

160年続く西陣機屋

1857年創業西陣織帯地織元
【西陣織証紙番号48】
帯屋捨松は、安政年間(1854年)より西陣の地で織元として160年を超える歳月を手織りを中心に、工芸帯地一筋に歩んできました

デザイン室

今の時代に敢えて手描きにこだわる

図案はパソコンでもできるけど実際に手で描くことで柔らかい味がでます。
デザイン室長は奥様。
こんな図案は帯にどうか、いろんな資料を参考にします。

「ベースになるデザインをしっかり作らないと図案のニュアンスが伝わらず織り上がりが違うのです」と奥様。
絵の具、クレヨン、ろうけつ、しぼった紙、多彩な物を使って表現し下絵を作ります。

独特の糸づくり

糸の用意だけで半日、1日仕事

多種多様な糸 艶やかで色鮮やか。
ひとつの色の表現に3色以上の糸を使うので、その複雑さが着物に合いやすい理由です。


帯のアクセントになる箔糸。
これもすべて金糸の種類です。
くすみ具合や光具合が少しずつ違い、帯に合うものを選んでいきます。
絶版になった色もあり、これだけ揃っているのが貴重です。

どの色の糸を使って織るかを示した設計図
まずは少しだけ織って見本となる「めざし」を作ります。
ここでひと手間かけて織ることで糸を確認します。
一色に見える色でも何色もの糸を紡ぎ合わせたり、金糸銀糸箔などのさまざまな材料を合わせることによりさらに深く活きた色調になります。

専属の織り人と色々な織り方に対応できる機


色数が多い分だけ必要な機の杼(ひ)


指示書を見ながら織り上げていきます。

糸の扱いが難しいこの帯をきれいに織り上げるには、織り人の鍛錬と技術が必要です。かかわるみんなで作り上げています。(木村社長)

創業安政元年160年の歴史 帯屋捨松作品展

9月23日(金)~26日(月)4日間(最終日は15時半まで)
帯屋捨松 八代目 木村智也さん来場(23日~25日)
青山ゑり華 店内にて