本日のお客様　紅型の着尺に首里ロートン織の帯で2018/05/20

こんにちは、花岡です。

本日のお客様。Ｉ様。
朝一番にご来店。
同窓会に出席するためにお着物をお召しになりましたが、色々とうまくいかなくてゑり華で着直しされました。

お召しのお着物は城間栄順氏の琉球紅型。
生紬の生地です。
生地全体に型を置き、薄いラベンダー色で引き染めし。
その後飛び柄の型で糊置きをして顔料で色差しして染められています。
全体を顔料差しするよりは軽やかになり、カジュアルな印象になります。
また、手間が少なくなるため価格が抑えることができるのも魅力です。

帯は首里の織手、仲井間香代子さんの作品です。
ふっくらとした紬糸で織り上げられた総ロートン織の九寸帯。
福木・茜・藍・月桃などの植物染料を使って染められた糸を、仲井間さんならではの素晴らしい色の組み合わせで織られています。
出来上がりもとても柔らかく、一度決めたらずれないので着崩れしません。

Ｉ様は、もともと都内にお住まいの方で、現在は他県でお仕事されています。
今もご健在であられるお母様に約４０年前からご愛顧頂き、Ｉ様のお嫁入り道具もお世話させて頂きました。
私が入社するよりももっと以前、まだ学生の頃の事です。
私よりもゑり華歴が長いお客様がいらっしゃると言うのは、とてもありがたいことです。
以前の?Ｉ様はお召しになるよりも見るのがお好きな方。
職人さんや作家さんの手仕事が好きで、特に加賀友禅のファンでした。
箪笥にたくさんの着物が入っているのですが、ご自分で着られないのとお仕事が忙しい事もあってなかなか着物で出かける事がありませんでした。
学生時代から歌舞伎が大好きで頻繁に観劇されるのにいつもお洋服です。
やはりこのままではいけないと思われたのでしょうか。
ある時ゑり華の「着られる教室」に参加されました。

※ゑり華では着物を着られる女性や着物の知識に明るい女性をふやしたい！
という願いから、ゑり華無料着付け教室を不定期で開催しております。
無料ですが受講中の着物販売等も一切無く、安心してご参加頂いています。

ご遠方から３ヶ月間毎週通われるのは相当大変だったと思いますが、無事卒業！
ご自分で着られるようになってからはほとんど毎回お着物でご来店なさいます。
観劇や本日のように同窓会もお着物。

ところでＩ様がお召しのこの城間さんの紅型の着物、ゑり華のオリジナルです。
帯はいつも別誂えでお願いしているのですが、着物はこれが初めての誂えでした。
いつも沖縄に行って染め出しするのですが、（現地に行かないと駄目なんです！）生地と柄はすんなり決まったのですが、ベースになる２つの色がどうしても決められない。
頭の中にあるイメージの色が、そこにある色見本帳・切れ見本の中から見つけられない。
そこには何千色もあると思うのですが、私のほしい色が無い。

?

東京に戻ってから見つけてお渡しいたしました。

それから待つこと半年上。
上がったときにはあまりの美しさに感動しました。
さすがに城間さん、地色をピタッと合わせてくれました。
その地色に対して差し色の配色と濃さがばっちり決まっています。
これが誂えの醍醐味です。
作り手とのリズムや呼吸がピタッと合ったときに凄くいい物が出来上がりますね。

実はこの着物と帯。
取材にいらした編集の方がとても気に入ってくださって、昨年の「家庭画報特選きものSalon」に掲載されました。

これがその時の表紙です。
?２０１７年の春夏号、特集が「魅惑の沖縄」です。
そこに、琉球紅型のページで紹介されました。

本日のＩ様のコーディネート、なんと帯も掲載柄でした。

別々にお求め頂いていたので、両方ともＩ様にお求め頂いていると認識がありませんでしたので、びっくりした次第です。

この帯を制作してくださった仲井間香代子さんは昨年ご病気でお亡くなりになりました。
この本が発売された頃はまだお元気だったので、ちょっと孝行できたかなと思っています。

Ｉ様は、着物をゑり華で着付けし直して安心してお出かけになりました。
南青山のゑり華の店舗はとても便利なところにあります。
ホテルならオークラ・オータニ・帝国ホテルにはタクシーで１０分程度で１０００円ちょっと。
新宿の京王プラザホテル・パークハイアットは２０分程度で２０００円ちょっと。
少し遠い椿山荘でも２５分程度、３０００円以内で着きます。
とくに結婚式などは、ほぼ土日なので混雑も少なくスムーズに到着するでしょう。

着付けに自信が無い方、ゑり華にちょっと寄ると安心してお出かけになれますよ。
遠慮無くご利用ください。