伝統工芸品 京鹿の子絞 藤井絞展2018/05/21
伝統工芸品 京鹿の子絞 藤井絞 京の絞り作品展
場所 青山ゑり華
日時 5月25日(金)~5月28日(月)
期間中 藤井浩一氏ご来場
ご 挨 拶
藤井絞株式会社は、今年創業103年を迎えた京絞の製造卸問屋です。
?「京鹿の子絞」の技術・伝統を受け継ぎ、良い素材を厳選し、柄と配色にオリジナリティーをもって物創りに励んでおります。
振袖、訪問着、名古屋帯、着尺、襦袢はもちろん、七五三のための子供きものや綿麻浴衣、雪花絞や羽裏なども手掛けています。
特に雪花絞りは平成19年の『七緒』の表紙に出て、一躍脚光を浴びる浴衣になりました。
同21年の『金麦』CMで壇れいさんに着て頂き、雪花絞の生産が追いつかない状況が続いていて有り難いことです。
この度は青山のゑり華さんで作品展を開催させていただく機会を頂きました。
花岡社長には京都の絞りの魅力を余すことなくたっぷりと見せて欲しいと頼まれ、気張ってご用意いたしました。
期間中、貴方様にお会いできるのを今から楽しみにしております。
藤井絞 代表取締役 藤井 浩一
こんにちは、花岡です。この度藤井絞の「京の絞り作品展」を2年ぶりに開催いたします。
2回目となる今回は5月ということもあって夏物、そうあの「雪花絞り」も多数揃います。
会期中藤井社長が楽しいお話しを聞かせてくださいますので、是非青山にお出かけください。
青山ゑり華 代表取締役花岡 隆三
出品の一例(写真のすべてが来るわけではありません)
着尺
着尺
附下
染帯
染帯
道行きコート・羽織
紗の着尺・コート
絞りの浴衣・雪花絞りの浴衣
雪花絞りの浴衣・絞りの浴衣
下絵が指示書 阿吽の呼吸で進める京都の職人さんが凄い!
花岡 刺繍や絞りの仕事の多くは海外に移っていますね。
藤井さんのところはどうなんでしょう。
藤井 うちはすべて京都の職人で作っています。まず下絵作りがあります。絞りの下絵職人は特殊技能なんです。
いくら絵が上手でも絞りの下絵に置き換えられなければダメ。
絞りで括れる絵を書くのが絞り職人の技で、そこがスタートです。
さらにそれぞれの絞り職人の技量を知って絵を書けないといけません。
図案が出来たら型を作って生地に摺ります。ここまでが下絵職人の仕事です。
生地に下絵が付けばそれが指示書になります。
何処を自分が括るかと言う事は、職人が分かっているから、それぞれに渡していく。
Aと言う職人さんに渡して桶で染め分けて、その後Bさんが帽子絞りをし、その後Cさんが匹田を括る。
それができると染屋さんに渡します。その仲介仕事(悉皆)はすべて我々がやっています。通常は絞り悉皆がいて、任せるのが普通です。でもうちは自分らでやる。
反物を持って走って作ってくれとか、絞ってくれとか、染めてくれとか、オーケストラの指揮者のように動かすんです。
染が上がったら自分たちで解きます。
花岡 えっ、自分たちで?
藤井 それが大切なんです。うちは全員が解きをやれます。出来ないと仕事にならないんです。
ここが泣いているとか、蒸しの温度が高過ぎたとか、括りが甘いとか、そういうことを解るのが大事なんです。
最後に難物になることもあります。ハサミで生地切ったり、破いたり、順番を間違えて解くとか。
花岡 順番があるのですね?
藤井 ここの絞りは残して、もう一度染めるとかあるんですが、それを解いてしまったり。(笑)
解いたらまた彩色したり、金彩したり、刺繍に行ったりする。
人件費とか考えると大変です。浴衣のシーズンには三、四人解いているとか、重い振袖は解くだけで一週間も掛かるものもあります。
でもそこが肝心なんです。
そういう事をやっているから絞りのノウハウが蓄積されるれるんです。
今京都の絞り職人さんの平均年齢は七十歳位です。
毎年のように、もう出来ないとか、手が動かんとか、目が見えんとか、そんな話ばかりです。
花岡 私はまどろっこしい所が絞りの良さだと思ってるんです。
友禅の細かさに比べて非常に無骨です。輪郭にしても染め際にしても稚拙だったりする。その面白さが絞りにはあると思います。
藤井 そうですね、完璧の手前にある面白さ。百点が無い、そこに温かみと柔らかさを感じます。
解いてみないと分からないとか、同じものは二度と出来ないのもまた楽しいです。
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