着物を通して素敵に年を重ねていくお手伝い – 青山 ゑり華

着物を通して素敵に年を重ねていくお手伝い – 青山 ゑり華

加賀友禅 訪問着 『竹風』 作:古泉良範2018/09/08

古泉良範作 加賀友禅訪問着 「竹風」
第39回伝統加賀友禅工芸展入選作品

作者 古泉 良範
題名 竹風
素材 浜ちりめん 絹100%
適応シーン パーティー、お茶会、同窓会、慶事一般、結婚式など
適応シーズン 10月~12月、1月~5月
価格 748,000円

本日ご紹介するのは、古泉良範氏の訪問着「竹風」です。
この訪問着の図案は竹林がモチーフです。
竹林の中から空を見上げた時の情景を写し取っています。
斜めに白く抜けている部分や飛んでいるつぶつぶは、竹林に降り注ぐ光や風を表現し、

単に竹だけでなく周りの空気感も表現しています。

私が通った小学校の裏手はちょっとした崖になっていて、竹が生い茂っていました。
その崖に入り、トンビのさえずりに見上げると、笹と笹の隙間から空が見えて、
まるで笹そのものが光っているかのように、キラキラとまぶしく見えました。
この訪問着を前にしているとそんな情景が浮かんできます。

地色はシルバーグレー。
落ち着いたて気品のあるお色です。
そこに加賀友禅の特徴である「加賀五彩」をベースにした、しっかりした差し色で彩色されています。

竹は、松、梅とともに冬の寒さに耐える歳寒三友の一つで、冬でも青く、
しなやかで強く折れることのないことから「威勢」などの意味があります。
また成長が早く生命力が強いことから子供の健やかな健康と成長への願いが託されています。
そんなことから、竹の柄のきものは、結婚式などのお祝いの席にはとても重宝いたします。
季節感も無いので、お祝いの席に呼ばれることが多い方には是非おすすめしたい一枚です。

 

古泉さんは原寸大の図案を描きます。
通常加賀の作家さんは、図案の段階では4分の一程度の大きさの小下図を描き、それで納得がいくと原寸大の下絵を描きます。
図案の段階から原寸大の描くことで、きものになったときの柄のバランスを確認できるメリットがあります。

「竹風」原寸大の図案

 

作者 古泉 良範
題名 竹風
素材 浜ちりめん 絹100%
適応シーン パーティー、お茶会、同窓会、慶事一般、結婚式など
適応シーズン 10月~12月、1月~5月
価格 748,000円


伝統的なものをベースに、自分らしさをプラスしてオリジナリティーを表現するのを心がけています。
「絵を描くのが好き」というように、
暇を見つけては季節の植物や鳥をスケッチ。
これがいざ新しい図案を考えるときの大切なモチーフとなります。

加賀友禅作家 古泉良範先生

1972年 長崎県大村市生まれ
1995年 日本大学芸術学部美術学科卒業
      白坂幸蔵氏に師事
2007年 12年の修行を経て独立
2008年 伝統工芸士認定

主な受賞歴
1997年 第23回加賀友禅新作競技会  石川県知事賞受賞
2001年 第23回伝統加賀友禅工芸展  新人賞受賞
2002年 第28回加賀友禅新作競技会  石川県知事賞受賞
2005年 第31回加賀友禅新作競技会  伝統的工芸品産業振興協会会長賞受賞
2006年 第32回加賀友禅新作競技会  伝統的工芸品産業振興協会会長賞受賞  
2009年 第35回加賀友禅新作競技会  石川県知事賞受賞
2010年 第32回伝統加賀友禅工芸展  銅賞受賞
2010年 第36回加賀友禅新作競技会  石川県伝統産業振興協議会会長賞
2011年 加賀友禅新作競技会  金沢市長賞
2013年 第39回加賀友禅新作競技会  中部経済産業局長賞
      他多数受賞 現在に至る