単衣から夏向けの染帯2020/04/16
こんにちはゑり華の花岡です
今日紹介するのは単衣から夏向けの染帯です。
この染帯は米沢の季織苑工房と花岡企画(着物などの製作及び卸会社)の初コラボ作品。
今年に入ってから米沢の生地を使った加賀友禅の帯の製作を、季織苑工房の粟野さんに依頼されました。
サンプルで預かった生地を眺めているうちに、友禅もいいけど素描でサッとシンプルに描いた方がこの素朴な生地に合うと思い立ちました。
そうなると染めてもらう作家さんは限られます。
ご存知のように、友禅は生地に糸目を置いて防波堤を作ります。
その防波堤の中を塗るので染料はにじむ事なく止まります。
しかし素描はまっさらな生地にいきなり筆で描く一発勝負の仕事で、友禅とはまったく別の仕事です。
その両方が出来て、安心してお仕事を頼める作家さんはそう多くありません。
粟野さんとの最初の仕事は、ベテランの藤村建雄先生にお願いしました。
こちらの染帯、波紋に鮴(ごり)を描いてもらいました。
鮴は小型のハゼ類で、金沢では昔から佃煮や唐揚げにして食べられている馴染みの魚です。
その愛らしくひょうきんな姿がサラッと描かれています。
生地は紬糸使いの乱絽。
不規則な絽目がおしゃれ感を際立たせてます。
白地ですが、真っ白ではないので色々な色目に乗せやすいですね。
鮴の季語は夏、単衣から夏にぴったりで、透け感が少ない分秋に掛かっても不自然ではなく締めて頂けると思います。
着物は越後おぐに くるまや工房の単衣着物を合わせてみました。
光沢のある絹真綿糸に本松煙染めのまろやかな優しい色合いが単衣から夏に向けて涼やかに装ってくれます。
着物:越後おぐに くるまや工房製 264,000円
帯:藤村建雄作 米沢紬地乱絽九寸帯 96,800円 【完売御礼】
価格はすべて税込です。
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