着物を通して素敵に年を重ねていくお手伝い – 青山 ゑり華

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社長ブログ

城間栄市作 琉球藍型 九寸帯名古屋帯「梅に菱霞」2023/06/30


城間栄市作 琉球藍型 九寸帯名古屋帯「梅に菱霞」

こんにちは、花岡です。
急に暑くなりましたね。
本日ご紹介するのは、藍型の帯です。
タイトルは「梅に菱霞」
落ち着いた古典の柄で、花柄でも絣の着物でも合わせやすいですね。

また格のある柄なので、合わせるお着物をランクアップしてくれるのも嬉しいですね。
柄が六通あるので、お太鼓柄に比べて結ぶ時に気を遣わないのもありがたい帯です。
琉球紅型は皆さまご存じだと思います。

では、藍型とは?

生地に糊置きして糊の置かれていない所に色差ししていくのが紅型です。
それに対して藍型は、糊を置いた生地を藍に浸けて染めます。
濃淡を出すために白く残したいところに糊置きし、次に薄く染めたいところに糊を置いて・・・
と言うように、何回も糊置きと藍に浸けるのを繰り返して染めて、最後に暈かしをいれる。
このようにとても手の込んだ作業を繰り返して完成させます。

上の写真
これ以上染めたくないところに糊を置いています。

上の写真
通常、友禅や型染の地染めは柄の所に糊置きした後はおが屑をかぶせて、生地どおしが張り付かないようにします。
しかし、沖縄の藍型は砂をかぶせるのです!
何故なら・・・

藍に浸けるから! です。
もし、おが屑なら浸けた時に取れたおが屑が水に浮いてしまい、他に付着して染めムラになってしまいます。
でも砂なら、下に沈んで仕舞うので他に着く心配が無いからです。

上の写真
藍に浸けた生地をほしているところ。
この工程を何回も繰り返して、藍型が出来上がります。

ところで、藍型に似た物に紅型の藍濃淡の物があります。
こちらは藍型風に色差しをしてある、紅型です。
こちらは地が藍に染まっていない物が多いのですぐに分かります。
決して偽物では無く、紅型の表現の一つです。
ただ、余り知識の無い着物屋さんやリサイクルショップがこれを藍型と呼んでしまうことが有るようで、
ネットでもチラチラと見られますね。
藍型は必ず藍瓶に浸けるため、地が白く残ることはまず無いと思ってください。

藍型の第一人者の城間栄市氏

略歴
1977年 那覇市にて紅型宗家「城間びんがた」第15代宗主 城間栄順氏の長男として生まれる
2000年 第52回沖展 初入選
2003年 第55回沖展 奨励賞 インドネシアでバティックを学ぶ(~2005年)
2008年 第60回沖展「ゴマアイゴ紋様」奨励賞
2010年 第62回沖展「上昇波(ジョウショウハ)」奨励賞
2011年 第63回沖展「イナズマ ガンガゼ」沖展賞、準会員推挙
2012年 第64回沖展「すくゆい」準会員賞 
      第47回西部伝統工芸展 「いゆとぅい」福岡市長賞
2013年 第65回沖展「雲を読む」準会員賞、会員推挙
2014年 第49回西部伝統工芸展「海のひかり」 奨励賞 城間びんがた工房16代継承
2015年 第62回日本伝統工芸展日本工芸会「むるぶし浜」新人賞
      城間びんがた三代継承展(沖縄県立博物館・美術館)
2016年 第50回沖縄タイムス芸術選賞 奨励賞
2021年 第55回西部伝統工芸展「波の歌」 沖縄タイムス社賞
2022年 MOA美術館 第22回岡田茂吉賞大賞

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